更新 :2005/04/17 13:15
かねやん企画
本棚の片隅
まんが談義


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美貌の果実 第12回へ 第14回へ

作品名 美貌の果実
作者 川原泉
原作者 ------
総巻数 1巻
掲載雑誌 「花とゆめ」 '86
出版社 白泉社
第1巻
初版日
1987/2/25
評価 画質 ☆☆☆★★
ストーリー ☆☆☆☆★
キャラクター ☆☆☆★★
オリジナリティー ☆☆☆☆★

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「かねやん」のーと

さて、このサイトにお越しになる方は男性・女性でどちらが多いのでしょう?
内容的には男性系作品が圧倒的多数を占めますので、男性の方が多いかも知れません。

男性の漫画好きでも、2種類あり、少女系まで網羅する人、少女系はまったく触れない人・・・

ですが、今回ご紹介する"川原泉"さんは、多くの男性漫画ファンにも広く受け入れられていると思われます。
作者独特の斜めに構えた社会観察眼から生まれるシニカルな笑いのコメディーストーリー。各種知識に裏打ちされ、時には"うっとうしい"とも思えるほどの凝った台詞がごちゃまんと詰め込まれている・・・。
これが、川原さんの基本的な作品イメージではないかと思います。

少女漫画は男女の恋愛が中心に据えられたロマンティックなストーリーが多く、その内容があまりに情熱的すぎて、私などはついていけない物も多いのですが、河原さんの作品はそんな少女漫画の主軸は残しつつも少し軌道をずらす事により、新たな視線から作品を構築されています。
登場する主人公には薄幸な人が多く登場しますし、かと思うと、 妙に超現実的な人も登場します。ロマンティックな作品が好まれるであろう少女漫画の世界で、この様な作品は異色であり、そこが男性ファンにも広く支持される理由でもあるのでしょう。ロマンティックな部分はきちんと残しつつ、女性のもう一方の側面である現実主義者としての観察眼で、世の中の潮流をビシバシ表現されます。
今の時代、とても売れ線ではないテーマの作品が多いですが、それゆえに人間愛に包まれた作風が、多くの読者の心をつかむのでしょう。

一躍有名になられた頃は、短篇の作品を発表される事が多く、今回ご紹介する"美貌の果実"も"アグリカルチャー"シリーズとも言うべき"農業"をテーマにした短篇作品集です。
この他には"食い物"シリーズとも言うべき"カレーの王子様"もあります。

最近は、作品の発表もめっきり少なくなり、残念ではありますが、作品の内容の濃さを思うと作品を連発できる作風ではない事は確かです。
暫く充電して新しいイメージを膨らませ、新たなる飛躍をされる事を期待しています。

でも、火星人が出てくるのは危ないかもしれないなー・・・

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