更新 :2005/04/07 11:48
かねやん企画
本棚の片隅
まんが談義

蔵書の収納 第6回へ 第8回へ


私も結構たくさんの本を持っている
プレゼントキャンペーン等を行っていたり、Yahooのディレクトリサービスに登録されたせいか、最近お客さんが増えて喜んでおります。
そんな中、蔵書の保管方法に付いてのご質問等を幾つか頂きましたので、役立つかはわかりませんが、「かねやん」の蔵書保管方法等について書いてみます。
古い本は傷みやすいぞ・・・
単行本の保管を考える場合、まず第一に発行された年代が問題になります。
大まかに言うと、'70年代の中期を境に保管に際しての注意度がかわってきます。
'70年代の中期以降に出版された単行本(主に"講談社""集英社""小学館"などの大手)は、本のカバーの材質が改善され、表面にビニールコーティングが施される様になってきます。
ところが、それ以前の本に付いては、多少厚めの紙が使用されているだけで強度は無いため、そのまま触っていると、カバーの両端の折り目の部分が非常に傷みやすくなります。(左図の矢印部分)
最悪の場合、ある程度年数が経つだけでここから切れてくる状態にまで成ってしまいます。
手で、本を持つ際に丁度当たる部分ですので、これは、仕方が無いとは思いますが、長期にわたり保存したい場合には、さらに別の自作カバーをかける事が必要でしょう。
こうすれば、直接手で触れる事が少なくなり痛む可能性も低くなります。
さらに完璧を期すなら、一定のまとまりでまとめて包んでしまうなどの方法もありますが、こうすると、読みたい時に読めない本となってしまい、蔵書している意味が"保管する"事になってしまいますから、私自身は好きになれない方法です。
傷みの予防以外の為にもカバーは重要・・・
さて、上記の様に古い本を収納する場合に限らず、自作カバーが付いている事にはメリットがあります。
漫画本を沢山持たれている方なら大体想像はつくと思うのですが、日焼け防止の効果です。
本にもよるのですが、北向きの部屋で直射日光に当たらない場合でも、外光が本に当たるような環境では本が焼けて色あせてしまいます。特に黄色の系統は弱いらしく、気がつくと真っ白になっていたりします。
これらの防止のためとしても自作カバーは有効です。
ただ、カバーをつけると、本の表紙画像などが見れなくなり、自作カバーの背表紙に名前を書き込む等の作業をしないと、どの本か分からなくなりますし、棚に入っている物などは、何処に何が有るかが分からなくなってしまう弊害も有ります。
「かねやん」の場合、昔は全ての本に自作カバーをつけていましたが、管理の大変さから色あせは我慢する事にして自作カバーはつけない事にしています。この点は蔵書する本ごとに重要度が違うでしょうから、臨機応変に対応するしか有りません。
自作カバーと言っても大したもんじゃないんですが・・・
では、自作カバーなる物をつくってみましょう。
使うものは、模造紙など、適当なもので問題ありません。贈り物についている包装紙などは強度が高く"Good"かもしれません。包装紙などは表にガラがあるので、裏返して使えばOKでしょう。

(1)
まず、カバーをかけたい単行本を用意して、付いているカバーを外し、広げた大きさより全体的に3〜4cm程度大きい用紙を用意します。

(2)
下の部分を適当に折ります。大きめに切った分だけ折ってください。

(3)カバーを外した単行本を端から差込み、高さをあわせて、両端から折り目をつけます。真ん中が折り目が付かず残りますので、本を外した状態で平らなところに置き、両端の折り目と合うように折ります。

(4)本を外した状態で折込を作ります。((2)と同様)

(5)最後にカバーをかけなおした単行本を中に入れ、残りの部分を巻きつけて、後の位置で折込を作って完成です。

カバー作成時のポイントですが、面倒でも(3)項目はやった方が良いと思います。
適当な大きさでカバーを作れば簡単ですが、高さが小さすぎれば、カバーし切れなかった所に傷がつきますし、大きすぎれば、自作カバーの内側で、単行本とカバーがゴソゴソ動くため、カバーの上下に折れ目が入る場合があります。せっかくカバーを作るのですから、最適な物を作りましょう。
また、カバーをつけた本を後述する収納方法で収納する場合には、はみ出た部分はちょっと厄介にもなります。
準備完了、はてさて何処にしまいましょうか?
一番安上がりな方法は適当なダンボール箱に詰め込む方法です。
果物などをまとめ買いした時などに使われたダンボール箱などは強度もあり、重宝します。
ただ、果物の入っていた物は果物の汁などがついている可能性も有りますから、それらの汚れが無い物を使いましょう。匂いが移る事も有りますし、何よりカビが怖いです。
次に、もう少し神経を使うなら、プラスチック製の衣装ケースを利用する方法もあります。
ダンボール箱に較べ、積み重ねる事を念頭に置いた設計になっていますので、幾つかを積み上げておく事も出来ます。
ダンボール箱ですと積み上げるのは2段ぐらいが限界になりますが、これだと3,4段には積み上げが可能です。
ただ残念な事に通常の小型単行本は衣装ケースとの相性が悪く、余り効率的には収納できません。
結構無駄なスペースができるのが悲しいですが、空いたスペースには新聞紙などを軽く詰めて、中の本がゴソゴソ動かないようにしておいたほうが、後々、箱を持ち運びする際に気を使わなくて済みます。
さらに有効に収納したいのであれば、コミックス収納用プラスチックケースを利用するのが良いでしょう。
コストは高くなりますが、コミックサイズにあわせた設計になっていますから、スペースを無駄なく使えます。ちょっと大き目のホームセンター等には大抵置いてあるようです。
つんどく場所、いれとく物
本ですから大抵の人は室内に保管されると思いますので、特に保管場所に気を配る事は無いとは思いますが、屋外の納戸等に収納される方は、保管場所の湿度に気をつけましょう。余り湿気が多いようですとカビが生える可能性も有ります。
また、屋外ですと、虫に食われる心配も有りますから、効果のほどはわかりませんが、私は防虫剤をほり込んで置くようにしています。
まあ、これは気休め程度ですが・・・
せっかく買った本だもの・・・、やっぱり長持ちして欲しい
最近は大手古本屋チェーンがあちこちに店舗を構えているので、要らなくなった本は捨てずにすみます。
私は、昔から、買ってしまった本は殆ど売ったことが有りませんが、就職で一時実家を離れた際など、保管しきれないと思った本を大量に処分しました。(今思うとデータ取り用の本になったので悔やんでいます。多分1000冊は処分したもんなー)
保管場所に苦労しなければ幾らでも置いておくのですが、次から次に新しい漫画が出てくる今の世の中では気に入った本全てを保管するのは不可能です。
よってどうしても手元に置きたい本だけが残りますから、皆さんも蔵書の収納には気を遣う事でしょう。
まあ、でも、形あるものはいつかは滅びます。
あまり神経質にならず、適当な範囲で保管法を考えるのが長く実践する秘訣であると思います。
え〜〜〜〜〜。参考になったでしょうかね〜〜〜〜〜〜。

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